怖すぎて  [矢野沙織]

夏もいよいよ本番となりました。

夏といえばホラー。
こと日本の夏には昔から他国には真似出来ないような文化とも言える水準の「怖がらせ」が多々あります。
どれも昔からセンスがよく非常に怖い。
気軽な口コミ系のタイプの話しで、例えそれが創作だったとしても、未だ日本の若者が夏をおかずにするのに非常に後味の悪い傑作が沢山あります。

私は比較的「怖がりたい屋」だったので、近年まで果敢に怖がる要素を見たり聞いたり読んだり、はたまた想像したりして楽しんでいました。
それが最近ではすっかり牙も抜け、レベル2程度の普通だしよくある怖さの話しに、うっかりイラっとするほどに怖くなる事が増えたなあ、と思っていました。
で昨年に来て初めて、「このCMは怖すぎる!」と、夜中までダラダラとテレビをつけていることを悔やみはじめる程のただの怖がりとなりました。

今年になってようやく
「怖すぎるCM禁止!」となったニュースを聞いて少し笑ったと同時にやっぱりみんな怖かったんだなぁ…センスがいいもんなぁ…と思いました。

そんな中でも、未だに私をたまに悩ませる傑作『不安の種』

題名通りの内容の、主に短編集漫画です。

私がこの作品に出会ったのは、忘れもしない二十歳で一人暮らしをし始めてウッキウキな頃。
当時の私は、その大体の
「振り返ったりドアを開けてみて、あったら・見えたら・居たら嫌なもの」の主を挙げる事にかなり強気でしたが、不安の種はその全ての発想の遥か彼方をゆく大変素晴らしいものでした。

そのあまりの素晴らしい怖さに何度も読み、怖さの視点が頭から離れなくなり部屋に置くのも怖いから捨てる。本当に捨てる。
でもなんだかまた気になって買ってしまい、怖すぎてまた捨て。を繰り返した傑作です。

ちなみに、今はもう本当にちょっと思い出す材料になる程度も読みたくないと思う唯一の漫画。

特に、一人暮らしをし始めたばかりのウッキウキな者共の初めての夏にオススメです。

ではでは。

矢野沙織


矢野沙織 Bubble Bubble Bebop
2015 Live Tour

8/10(月) 横浜 モーションブルー横浜
8/21(金) 名古屋 ブルーノート名古屋
8/27(木) 大阪 ビルボード大阪
Bubble Bubble Bebop 2015 Live Tour 告知ムービー
2015年07月22日20:44 | Comment(0)

My first Esmeralda  [矢野沙織]

私の初めてのエメラルド。

先日、要所要所でご縁のある方から半世紀以上前に作られた小さなエメラルドのイヤリングを譲りうけました。

小さな小さな、小指の先ほどのエメラルドの周りにもっと小さなダイヤモンドが付いた可愛いイヤリングで、見れば見る程に愛しく思います。

大変昔に作られたものなので当時の石がはめてあり、人工的に色を整えられたものではないので、よーく見ると左右でグリーンの光り方が違うのもまた嬉しい。

「50年以上眠っていたものだから。」
と、時の流れ相応の何かを磨き取ってもらうと、小さな顔が存在感のある大きな大きな笑顔を見せ、天然石らしいプライドをそこに見たような気がしました。

また私も50年後に誰かに譲ることができますよう、と願いました。

矢野沙織

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矢野沙織 Bubble Bubble Bebop
2015 Live Tour

8/10(月) 横浜 モーションブルー横浜
8/21(金) 名古屋 ブルーノート名古屋
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2015年07月07日21:08 | Comment(0)

イパネマの娘  [矢野沙織]

いつか、もう本当にいつかの日。

私がまだ二十歳に近い年齢だった頃、ドライブ中に予定にはなかったビーチへ立ち寄ってみた時。
せめて足元だけ海に入りたくなり、近くの簡単な海遊具売り場で何の気なしに買った青いビーチサンダルがある。

しばらく気付かなかったのですが、ある時ふと足元を見ると「IPANEMA」の文字。

イパネマ

「イパネマの娘」と言う曲を連想したのは言うまでもないかも知れません。
この曲には、ある思い出があるお話をしようと思います。

私に会った事がある方ならば、私がいつの年齢の時も普通より背の高い女である事を知っているはずです。
何しろ産まれた時から大きかったのですから、子供の頃からノッポで目立ってきたものでした。

特に小学生の時などは背の高いのがとても嫌でした。
それが人前に出て演奏する様になる中学生になっても、また時に背が高いことを褒められたりもする頃の高校生になってもとても嫌だったもので、ハイヒールなんていう靴はあまり視界に入ってすらいない代物でした。

そんな日々を長いこと過ごしていたある日、確か17〜8歳頃の夏のある日。
不意に家で「Garota de IPANEMA」が流れ、ポルトガル語などちっとも分からない父が、ものぐさな態度はそのままに、
「そういや、この歌詞の”イパネマの娘”って人には実在のモデルがいて、当時お前と同じ位の歳のすごい背の高い女の子だ、って話聞いたことあるなあ。」
と呟きました。
父にしてはなかなかのマメ知識に、その頃から背の高いのをあまり気にしなくなった気がします。
もちろん「イパネマの娘」の曲の美しさも手伝って。

それから10年程度の時が経ちましたが、大好きながらも、最近までどう言うわけかジョビン作品に自分がトライする気持ちになりませんでした。
特に熱心に言っていたわけでもないのですが、たまに父らしくテキトーに「イパネマの娘やれよ〜。聞きたいなあ。」と言われても、なんとなく選曲しないままに、そんな父も他界してもう久しくなりました。

8月10日からの「Bubble Bubble Bebop」ツアーでは、当新譜には収録していないのですが、
どうしてか長い事トライ出来なかった。でも特に気にも留めなかった自分だけのエピソードを持ってあの素敵な「イパネマの娘」を皆様と会場で共有したいと思います。

その他にもたくさん仕掛けのあるBossa Novaや、新譜収録曲をお届けしたいと思います。

いよいよ7月に入り、今年も夏が来ます。
今年も楽しみましょう。

矢野沙織

矢野沙織 Bubble Bubble Bebop
2015 Live Tour

8/10(月) 横浜 モーションブルー横浜
8/21(金) 名古屋 ブルーノート名古屋
8/27(木) 大阪 ビルボード大阪
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2015年07月05日20:53 | Comment(0)